【ネタバレなし】超難解!ノーラン新作「テネット」を解説します!【TENET】

映画

Shozza
ハロー!Shozza(@shozzatrip)です!

今回の記事は、「テネット(TENET)」という映画について!

ShozzaTrip映画紹介第三弾!

大が付くほどの映画好きの僕の中で、間違いなく一番好きな映画監督がクリストファー・ノーラン。ダークナイトを始めとするバットマン三部作や、インセプション、インターステラー、ダンケルクなど、数々の名作を生み出している監督です。

そんなノーラン監督の最新作こそが、テネット!コロナ禍で各国で公開が延期される中、日本では9月から上映し、先日(1月8日)にブルーレイ販売/オンラインレンタルが開始しました!

映画が公開されてから、1ヶ月の間に3回も観に行き、ブルーレイを購入して2回、、すでに5回も見ています、、笑

その理由は、面白さはもちろんのこと、めちゃめちゃ難しいから。間違いなく、ノーラン史上一番難しい。一般的に「難しい」とされるインセプションや、インターステラーが可愛く見えるレベルです。笑

ただし!難しい以上に、本当に面白い、いや面白いというかスゴすぎるので、是非見て欲しい!

ということで、この記事では、テネットの解説をしていきます!

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テネットってどんな映画?

テネットの映画ジャンルとしては、SFスパイ映画です。インセプションや、インターステラーなどから、SFのイメージの強いノーランですが、彼はずっとスパイ映画を撮ることを熱望していました。

そして、今回ようやく念願のスパイ映画を撮ることになったのですが、「ただのスパイモノじゃつまらない」と言わんばかりに、ストーリーの根底にノーラン特有のトンデモSF要素を混ぜたおかげで、そっちの設定の難しさと映像の凄まじさに飲み込まれて、スパイ映画だということを忘れてしまうという感じ。

ディスってはいません。それだけ凄いってこと。

SFの設定と内容を理解した後は、極上のスパイ映画として楽しむことができる仕組みです(なんやねん)

 

時間逆行

では、どんなSF設定かというと、テネットの映画では、特殊な装置(回転ドア)を使い、人間や物が時間を逆行することが可能になった世界を描いています。

「時間を逆行?」

なんか、よくありそうで、でも聞いたことのない言葉ですよね。そうなんです。実は、そんな映画、これまでにありません。そこを発想して、映画化してしまうのが、ノーランの凄いところ。

時間の逆行とは、具体的に上の図のような感じ。

通常の世界では、時間の流れは一定(左から右)なので、人間、物、全てが順行(過去→未来)しています。そして、特殊装置を使うことで人間や物が時間を逆に進むようになります(未来→過去)。これが「時間を逆行している」と言う状態です。

この時、逆行するのは、特殊装置を通したもののみで、それ以外の世界は全て通常のように順行している。なので、順行している人から逆行している人を見ると逆再生に見え、逆行している人から順行の人も逆再生に見えるという訳です。

 

タイムスリップとの違い

時間の逆行とは、つまり過去に行くこと。そう聞くと、タイムスリップのようで、よくありきたりな映画のように感じますが、タイムスリップとは全然違います。

上の図のように、タイムスリップでは、例えば1年前にスリップしたとして、ほぼ一瞬で1年前に行くことができ、そこの世界ももちろん順行のままです。

一方で、時間逆行の場合、そうはいかない。装置を使った時点から自分のみ(時間に対して)逆行するため、1年前に行くには、1年かかります。

この映画では、ある目的の元、敵を倒すために、過去と未来から挟み撃ちをして敵を倒すというシーンがあります。通常の挟み撃ち作戦といえば、「A地点とB地点から挟む」というように“空間”でやることですが、“時間”で挟み撃ちするというのが、最高に面白いアイディアです。

この時の挟み撃ち作戦の時間が10(TEN)分間。同じ場所で、過去から未来へ10分間、未来から過去へ10間分かけて戦います。

 

「TENET」というタイトルの由来

テネット(TENET)というタイトルは、この10(TEN)分を左(過去)と右(未来)から挟むことでできる回文にもなっていて、この挟み撃ち作戦の作戦名でもあります。

上の青で囲った「TEN」が逆さまになっているのに気が付きましたか?真ん中の「N」が逆さまでも同じ形で、風車のような役割をしています。オシャレ過ぎますよね、、

回文とは

最初の文字から読んでも、最後の文字から読んでも、同じ単語や、文章になる単語や文のこと。

  • 磨かぬ鏡(みがかぬかがみ)
  • 竹藪焼けた(たけやぶやけた)
  • Madam, I’m Adam

そして、「TENET」の語源は、2000年以上前から成立している回文に遡ります。

上の回文は、「SATOR AREPO TENET OPERA ROTAS(農夫のアレポ氏は馬鋤きを曳いて仕事をする)」という意味になるのですが、逆から読んでも「SATOR AREPO TENET OPERA ROTAS」になります。

それだけでなく、左上から右下への縦読み、右下から左上への縦読みでも「SATOR」「AREPO」「TENET」「OPERA」「ROTAS」と読むことのできる高度な回文になっています。

ちなみに、これらの単語は全てテネットの映画の中でも登場します。

  • SATOR(セイター):敵役
  • AREPO(アレポ):キャットの愛人
  • TENET(テネット):タイトル、主役を含む組織の名前、作戦名
  • OPERA(オペラ):最初の戦闘シーンが、キエフオペラ
  • ROTAS(ロータス):オスロ空港内にある時間逆行装置を保管している会社の名前

また、「TENET」という英単語そのものに「信条、信念」という意味もあり、映画の中でそれぞれのキャラクターが、それぞれのテネット(信条)の元に、行動が行われていくことで自由意志が成り立つという意味合いを含まれています。

まだ、映画の中身に触れていないのに、既に面白い、、

完全に余談ですが、この「SATOR…」の回文が書かれた石碑は、セイターの息子がキャットと行くはずだったイタリアのポンペイ遺跡でも発掘されています。

もっと余談ですが、僕がバックパッカーになるきっかけとなった、人生初の海外旅行、かつ人生初の一人旅の目的地がこのポンペイ遺跡でした。また行きたいなあ、、

 

初回テネット鑑賞を見る前に知っておくべき設定

逆再生の見え方

時間を順行している人から見ると、逆行している人は逆再生されているように見え、また逆行している人からは順行の人が逆再生されているように見えます。

ここで簡単に逆再生の見え方、その理屈を説明しておきます。

図のようにXさんとYさんがいて、Xさんは12時00分から12時10分までずっとA地点にいます。一方でYさんは、時間を逆行していて、12時10分にいたC地点から、12時05分にB地点を通過し、12時00分にA地点まで向かっているとします。

では、Xさん、Yさんのそれぞれはどう見えているのか。

まずは、時間を逆行しているYさんの視点。Yさんの見える景色は、「止まっているXさんに自分が近づいていく」という、至って普通の見え方です。唯一おかしな点は、世界の時間軸は12時10分から、12時00分に時間が逆行している、ということくらい(後は、風の吹き方とか、水の流れ方とか、そういう身辺の不自然はありますが)。

次に順行していたXさんからの視点。

Xさんの視点からは、12時00分の地点で一緒にいたYさんが、後ろ向きでA→B→C地点と離れていくように見える事になります。

逆再生に見える理屈はわかりましたか?そんなに難しくはありません。ただし、この例では「Xさんが止まっている」というわかりやすい設定にしました。そのため、Yさん視点からは、変な見え方はありません。

しかし、実際はXさんも動いている場合がほとんどです。その場合、Yさん視点からもXさんが後ろ向きに歩くなど、逆再生のように見えます。

これが戦闘シーンでは、もちろんどちらも激しく動く。しかも、ロケットランチャーでビルを破壊したり、地雷が爆発したりします。これが逆行の相手の武器の場合、ビルは壊れていたところから直ったり、地雷が地面に収まっていく世界になります。

さらにすごいのが、映画目線で、これをどうやって撮影したのかというところ。ただの逆再生ではありません。逆再生と順再生が同一空間で混ざっている。しかも、その両方が絡み合いまくります。ノーランはこの映画で、映画史に刻まれるであろう偉業を成し遂げています。

ちなみに、Xさん視点でのYさんの動きを「Yさんが離れてく」のではなく、この映画では「Yさんが時間逆行して近づいている」と捉えるのが正解。難しいですが、そういうニュアンスで語られています。

次で解説する逆行銃などを理解する上で重要になります。

 

物を逆行させることもできる(逆行銃、逆行弾など)

時間逆行させるには、ある特殊装置に入れるだけなので、物を逆行させることもできます。そして、逆行の人間が逆行銃を使う場合は、順行の人間が普通の銃を使うのと同じです(逆行視点の場合)。

しかし、順行の人間が逆行銃を使うと言う場合もあり得ます。順行の人間が逆行銃を扱うと、弾が発射されるのではなく、銃に弾が戻ってきます(順行視点)。

ただし、これは弾を銃に戻したのではなく、あくまでも「逆行させて発射した」ということになります。先程のXさんYさんの説明と同様です。

そう考える必要があるのは、あくまでも銃に弾を戻しているのは、銃や弾の意思ではなく、銃を扱っている人の意思だからです。しかも、「銃に弾を戻そう」と考えるのではなく、「銃を発射しよう」と意思決定して初めて、銃に弾が戻って来ます(逆行して発射)。

何故なら、人間は銃に弾を戻すなんてことはできないからです。あくまでも、銃側からの視点は、いつも弾が発射されているだけで、人間からの見え方が違うだけ、と言うことになります。

また、机に置いてあった弾丸が、ポンと跳ねて手に戻ってくるのも、弾丸が自然に飛んできたのではなく、「自分が落とした」ことになります。

そうなると、因果が逆転して、変なことになるのですが、その辺は映画内でも最初、「難しく考えないで。感じて」と、言っています。

「そういう設定」と割り切って映画を楽しむのでも良いですが、実は、そこにも「自由意志は、“自己の信条(テネット)”に従い、決定される」という意味が含まれています。

つまり、自分の信条に従えば、「その人間は、その状況では、必ずその行動をする」ということが決定付けられている、ということ。

これについては、「【ネタバレ超解説】テネットを時系列に沿って全て解説します!考察も!」で、詳しく解説しています。

 

逆行人間は順行世界では酸素が吸えない(逆も然り)

逆行している人間は、順行世界では酸素を取り込むことができず、外に出る時はマスクをしなくてはいけません。屋内にいるときは、特殊な装置を使って、その空間のみをマスクなしで呼吸できるようにしています。

ちなみに、この空間で呼吸できるのは、逆行している人間のみで、この空間に順行の人間を連れてくる場合、彼らにマスクを付ける必要があります(逆行セイターが、順行キャットに付けていた)。

 

順行と逆行の自分が直接接触すると、対消滅してしまう

人間が逆行すると、もちろん、過去の自分(順行の自分)に遭遇することもあり得ます。しかし、過去の自分と直接接触するのはご法度。対消滅という現象が起こり、その名の通り消滅してしまいます。

また、順行から逆行への移動や、逆行から順行への移動は、装置を使うことで一度だけでなく、何度も行き来することができるので、その度に自分が同じ空間に増えていくことになります。

上の図のように、逆行と順行を繰り返した場合、12:10と12:20の時点では、4人の自分が存在することになります。実際、映画の中でもこんな感じで何度も逆行と順行を繰り返すので、かなり複雑になっています。

順行と逆行が接触することによる対消滅については、後述する時間逆行の物理的説明の中で、詳しく説明します。

 

逆行弾で撃たれると致命傷になる

順行の人間が逆行銃で撃たれると致命傷になってしまいます。そして唯一、傷を和らげる方法は、逆行世界に行くこと。逆に逆行している人間が順行銃で撃たれても同様に致命傷になり得ます。

これらの説明は映画内ではされていませんが、この理屈はよくわかりません。色々な説がネット上にはありますが、しっくりくるものは見つかりませんでした。

 

順行と逆行は、赤と青でわかりやすくしてある

この映画がとにかく難しいのは、順行視点と逆行視点が交互に入れ替わりまくること。順行と逆行というのは、相対的に違うだけなので、見え方はどちらも同じです。設定だけでも難しいのに、映像では順行と逆行が入れ替わるため、この映像は順行なのか逆行なのか、わからなくなります。

流石にノーランも、そこは一歩譲って、例えば部屋の中では照明だったり、挟み撃ち作戦では時計や、ワッペンだったりを赤(順行)青(逆行)で分けて、(少し)わかりやすくしてくれています。

また、この赤と青は、服や車など、至る所で対比的に用いられていて、それを探すのも面白いです。

他に順行と逆行を見分ける方法としては、先ほども紹介しているマスクの有無や、あとはBGMも異なります。順行の時に聞こえるBGMが、逆行時には逆再生されています。面白いので、是非注“耳”してみてください。これは、インセプションでも似たような演出をしていました。

この映画が面白いのは、設定もそうですが、やはり順行と逆行が入り乱れるところ。その世にも奇妙な映像体験です。ある人間は普通に動く一方で、ある人間は逆再生して動く。逆行視点から見ると、風の動きも水の動きも、全て逆再生されています。その中で、順行と逆行が戦闘を繰り広げる、、

パニックになりながらも、今まで経験したことのない映像に大興奮間違いなしです。とりあえず、上の予告を見てもらえれば、その意味がわかるかと思います。

 

時間逆行は本当に起こり得る?てか起きてる?

なんとなくテネットの設定がわかったところで、補足です。

「ああ、時間逆行っていうトンデモ設定ね」と、SFとして捉えるだけではもったいない。

実は、時間逆行は、物理的に可能と考えられています。いや、むしろ、超ミクロの素粒子世界では実際に起こっているとさえ考えられていて、その証拠は沢山見つかっています。

そこが、クリストファー・ノーランのすごいところ。インターステラーでは、ブラックホール、ワームホール(時空間瞬間移動)、超弦理論、五次元空間、浦島太郎現象(子が親より高齢になる(相対性理論))を、物理学の権威達と共にに見事に映画化しています。

SFなんだけど、実際の最新物理学理論に基づいている。むしろ、物理学の面白い発見を映画という教材を使って、わかりやすく説明しているとも捉えることができます。

そして、このテネットも然り。正直、インターステラーの相対性理論や五次元世界よりも遥かに難しい物理現象を映画化してしまいました。

テネットはそういう目線(あの物理現象をどうやって説明(映画化)したんだ)で見てみるのも、面白いです。

ここでは、簡単に時間逆行の物理的理論を紹介します。これを理解することで、逆行世界で呼吸ができないこと、対消滅などが理解できるようになります。

プラスαで映画を楽しみたい人は是非、読んでみてください。

 

陽電子は時間を逆行する

いきなり意味わかんないんだけど?ですよね。笑 そんなにトンデモなく難しい訳ではないので、ついてきてください!

この世界にあるものは、全て原子でできています。水も植物も人間も。それは、皆さん知っていることかと思います。

しかし、原子は一番小さな粒子かというとそうではなく、もっと小さく分解していくことが可能なことがわかりました。

もうこれ以上分解することのできない一番小さな粒子が素粒子です。

具体的には、原子は、電子と原子核に分けることができ、さらに原子核は陽子と中性子に分けることができます。そして、陽子と中性子はそれぞれアップクオークとダウンクオークに分けれることが、わかりました。

このアップクオークとダウンクオーク、そして電子は素粒子の一つです。

そして、研究を進めていく中で、さらにこれらの素粒子には、反対の性質を持つもの(反素粒子)が存在する可能性がわかって来ました。

例えば、電子であれば、陽電子と呼ばれるもの。電子はマイナスの電気を持っているのですが、「陽電子はプラスの電気を持っているはずだ」と。

さらにスイスの物理学者、エルンスト・シュテュッケルベルクは、「陽電子は時間逆行している電子だ」という理論を発表します。実際に、これは方程式を解くことで導くことが可能です。

つまり、陽電子は時間逆行し得るということです。これは映画の中でも言及されています。

しかし、この時点では、陽電子は仮定の存在でした。

 

陽電子の発見。そして反原子の発見

そして、1932年、これまで「理論上あり得る」としか言い切れなかった陽電子が実際に観測されます。これを皮切りに、他の素粒子も全て反対の性質を持つ素粒子(反素粒子)が存在することがわかります。

先程、全ての原子は、アップクオーク、ダウンクオーク、そして電子の3つの素粒子でできていると説明しました。そして、この3つの素粒子には、それぞれ反アップクオーク反ダウンクオーク陽電子という反素粒子が存在することがわかります。

ということはです。

この3つの反素粒子を使えば、原子の反対の性質を持つ反原子を作ることができそうじゃないですか?

そして、1995年になんと、反水素を作り出すことに成功します。2011年には反ヘリウム生成にも成功しており、現状ではこれが一番重い反原子(反物質と呼ばれる)です。

将来的には、反酸素や反窒素、反アルミニウムや反鉄なども作れるかもしれない。

と、

言うことは、

です。

人間も原子でできている。

ならば、極論、反物質で作られた人間「反人間」ができてもおかしくないことなります。

察しの良い人ならわかると思いますが、これが逆行人間です。逆行装置とは、全ての素粒子を反素粒子に変える装置と考えることができます。

なんか、急にできそうな気がしませんか?

だって、陽電子だって昔は「理論的には存在する」でしかなかったのに、実際にあることがわかり、反原子だって「理論的には作れる」でしかなかったのに、作ることができました。

そして、今、「反人間は理論的に作れる」の段階です。テネットの世界で、この逆行装置を作ったのは、未来の人間。と言うことは、未来では作れるようになっていることも、なんら不自然ではないわけです。

 

対生成と対消滅

ここで、余談ですが、反素粒子の作り方についてです。

陽電子や反アップクオークなどの反素粒子(反粒子)は、真空状態にエネルギーをぶつけることで生成します。

具体的には、上の図のように、粒子(例:電子)と反粒子(例:陽電子)が同時に誕生します。「無」から二つの相反した粒子が生まれることになります。「0=1+(-1)」と、いう感じですね。これを対生成と呼びます。

逆に、粒子と反粒子が衝突すると、エネルギーを出して消滅します。これが対消滅です。「1+(-1)=0」ですね。

そうです。映画の中で出てくる、「逆行した自分と接触するな。接触すると対消滅して、どっちも消えてしまう」は、この素粒子の対消滅を説明している訳です。

すごいよお、、

ただ実際は、この理屈で言うと、逆行装置に入って順行世界に入った瞬間、空気中の酸素や窒素などの原子の中にある順行の素粒子と、逆行人間(反人間)を構成する反原子の中の反素粒子たちが対消滅を繰り返し、一瞬で消滅してしまうことになってしまうんですが、、

その辺は映画の設定ということで。

「反人間(逆行人間)と対消滅するための相方は、順行人間でしかない(それらを構成する成分での消滅はない)」で良いんだと思います。

 

逆行人間はマスクが必要な理由

これは、逆行人間(反人間)にとっては、反酸素を吸って反二酸化炭素を吐くという呼吸になるため、反酸素の存在しない順行世界では呼吸ができないということで説明ができると思います。

逆に、逆行人間がマスクなしで生活している空間には、反酸素等などによる「反空気」が充填されているため、順行人間はマスクが必要ということになります。理屈を理解すると面白いですよね、、

 

この映画は、何度も見ることを前提に作られている

ここまでの説明で、なんとか理解してもらえたかと思います。

しかし、この状態で映画を見て、“映画を理解できるか”というと、残念ながらそれは絶対に無理です。おそらく、30%くらいです。

何故ならこの記事の説明でようやく、時間逆行の仕組みと設定を理解できたところだからです。

この難解な設定を理解した上で、今度はようやく「さらに難解なスパイ映画」を理解しなければいけないからです、、笑

スーパー難解なスパイ映画を、スーパー難解な時間逆行という設定の上で、スーパー難解な映画構成(説明ほぼなし&順行、逆行視点がランダム)で見せてくるため、もはやノーランは初見で理解させる気は100%ありません。

つまり、複数回見ることを前提に作っています。これは、テネットだけでなく、インターステラーやインセプションも同じですが。何度も見ることで、面白さは何倍にも増します。

それは、映画が始まる時に流れるワーナー・ブラザースのロゴにも見られます。映画が始まる時のロゴは写真のように赤いのですが、エンドロールのワーナーのロゴは青くなっています。

赤は順行青は逆行

つまり、「最後まで見たら、逆行してね(もう一度見てね)」というメッセージだと捉えました。ノーランのそういうところ。好きです。

本当はこの記事で、映画全体のストーリー解説もしようと思っていたのですが、あまりにも複雑すぎて、設定解説だけでこの長尺になってしまいました、、笑

この後、ストーリー解説の記事も書いていきますが、そっちはネタバレしていくことになるので、ネタバレなしで映画を見たい人は、ここで一度見ることをオススメします。

しかし、これはあくまでも、もう一度見ることを前提にしていますが、、笑

まずは予告を!

今すぐオンラインで観る

今すぐに見たい!という場合はここから見れます。オンライン購入の場合は2500円(何度も観れる)。レンタルの場合は390円(48時間)です。

 

ブルーレイ購入もオススメ

クリストファー・ノーランの映画は基本的にブルーレイ購入がオススメです。その理由は、彼の映画はほとんど何度も観ることを前提に作っているからです。それが許されるほど、面白いという上で成り立つのですが。

そして、それ以上に、ブルーレイには特典映像として、監督自らの説明と撮影の様子が収録されています。これが、とにかく面白いんです。

ノーランは、CG嫌いと言っても良いほど、可能な限り実写にこだわることでも有名。しかも、誰よりもスーパートンデモなSF設定なのにも関わらずです。

それでもあくまでも実写にこだわる。そのためには、CGよりもお金のかかる装置や仕組みを作って、なんとか実写で撮る。そのこだわりの様子を特典映像で見ることができます。

「あのシーンも実写なの!?」とか「こうやって撮ってたんだ」とか、違う目線で映画を楽しむことができる。

テネットの映画の中でも1、2を争う大迫力シーンで、大型ジェット機が、電柱を薙ぎ倒し、車を踏み潰しながら、巨大倉庫にぶつかって炎上するシーンがあるのですが、、

なんとこれも中古のジェット機を購入して、新品のように塗装し直し、実際に倉庫にぶっこませて撮影しました、、言うまでもなく、一発勝負、、

本当にもう阿呆なんです。笑

映画を一度見た方は、「【ネタバレ超解説】テネットを時系列に沿って全て解説します!考察も!」の記事で、ネタバレ解説しているので、こちらも是非読んで見てください!

 

まとめ

ということで、映画「テネット」についてでした!

過去2回の「クラウドアトラス」「インセプション」紹介記事に続き、とんでもなく長文になってしまいました、、

しかし、本当に面白い。でも、その「面白い」という感想は、内容を理解してからやってきました。正直言うと、ノーランの大ファンである僕も、情報なしで観た初回は、「え?駄作?」と少し疑ってしまったくらい。

それでもトンデモ映像に度肝を抜かされることは間違い無いのですが、、

理解できれば、圧巻の映像、極上のスパイ脚本を楽しむことができ、そして驚きの最後、友情愛に涙が止まりません。できれば、解説を見て複数回観ることをオススメする映画です!

See you!

Always think easy, go easy.

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