
今回の記事は、アルメニアのエレバン近郊にあるエチミアジン大聖堂について!
アルメニアは世界で最初にキリスト教を国教にした国でもあって、国内には歴史ある修道院が至る所にあります。
前回の記事で紹介したゲガルト修道院は、その中でも歴史のある修道院の一つで、めちゃめちゃ雰囲気がありました。このゲガルト修道院は、キリストの脇腹を刺した「ロンギヌスの槍」が発見された修道院としても有名。
そして、その槍が現在保管されているのが、世界遺産のエチミアジン大聖堂です。
しかも、ノアの箱舟の木片も展示されている。さらに、世界最古の教会とも言われています。歴史好きには絶対にスルーできないスポットです。これだけのためにアルメニアに来る価値があると僕は思います。
エチミアジン大聖堂を有するエチミアジンには、他にもいくつかの有名な教会や、遺跡もあります。エレバンからはローカルバスで1時間ほどでアクセス可能。半日で見て帰って来れます。
ということで、この記事ではエチミアジン大聖堂と周辺の観光スポットについて紹介します!
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INDEX
エチミアジンとは

エチミアジンは、エレバンから西に20kmほどのところに位置する町で、アルメニア第四の都市。アルメニア正教会の長がこの町にいるため、その総本山とされています。
エチミアジンの歴史は古く、紀元前3-4世紀まで遡ります。紀元1-2世紀頃には、アルメニアの首都になり、4世紀までアルメニア最大の都市だったそうです。

この町の一番の観光スポットであるエチミアジン大聖堂は、世界最古の教会と考えられており、グレゴリウスによって301-303年に創建されたそう。
宝物館には、ロンギヌスの槍、ノアの箱舟の木片を含む、キリスト教における重要な遺物が沢山展示されています。
エレバンからエチミアジンへの行き方
エチミアジンはエレバンから西に20kmほど。バスで1時間足らずで簡単にアクセス可能です。
バスは直行でエチミアジンの町(エチミアジン大聖堂は町の中)へ向かいますが、その道中、エチミアジンの手前にある以下の観光スポットに寄る場合は、途中下車も可能です。
- ズヴァルトノツ古代遺跡(Ruins of Zvartnots)
- リプシメ教会(St.Hripsime Church)
- ショガカト教会(Shoghakat Church)
僕は、ズヴァルトノツ遺跡には行かず、リプシメ教会で下車。リプシメ教会、ショガカト教会を訪問後、エチミアジン大聖堂へ徒歩で向かいました。

市内からバスターミナル(キリキア)へ
エチミアジン行きのバスが出るバスターミナルは、ここ。ジョージアや、ナゴルノ=カラバフ、ゴリスなどへ行く時と同じターミナルです。


キリキアバスターミナルへは、市内を走るローカルバスでアクセス可能。バスの番号は、5、13番です。
僕は、Mesrop Mashtots Avenueのこのバス停から、13番のバスに乗りました。ちなみに市内バスは1回100ドラム(20円)。
キリキアバスターミナルからエチミアジンへ

中央バスターミナルはこんな感じ。

エチミアジンへ行くバスは、202、203、208番あたりです。
バスターミナルに着くなり、ドライバーから勧誘が来るので、「エチミアジン!」と言えば、バスを教えてくれます。料金は300ドラム(60円)で、所要は1時間弱です。
リプシメ教会

僕は、エチミアジン手前の、リプシメ教会で下車しました。この教会はアルメニアに布教に来たリプシメという女性のために作られた教会だそうです。

リプシメは、キリスト教徒ではなかったローマ皇帝にプロポーズされ、それを拒否。そしてアルメニアへ逃げてきました。
しかし、当時のアルメニア王、トゥルダト3世(その時は非キリスト教徒)の目にとまり、そのプロポーズも拒否したために殺されました。

ちなみにトゥダト3世は、その後キリスト教に改宗したんだとか。

僕がエチミアジンへ行った日は、運良く日曜日であったため、リプシメ教会ではミサが行われていました。

このミサが本当に美しかった、、、

これは言葉にはできません。本当に感動しました。これまで、カトリックや、東欧の正教会のミサを沢山見てきましたが、アルメニアやジョージアのミサは全く別物です。
教会を訪れる際は、なんとか日程を合わせて、日曜日に行くことをオススメします。
ショガカト教会

次に訪れたのはショガカト教会。リプシメ教会から徒歩で5分ほどです。
リプシメがアルメニアへ逃げてきた際、数人の修道女を連れてきたのですが、彼女達も全員殺されてしまったそう。その修道女達のために建てられた教会が、ショガカト教会です。

ここでも、ミサが行われていました。美しすぎる、、
そして、アルメニアの教会では良くあるんですが、ミサが行われる午前中には、南に付けられた窓から太陽がビシャッと入ってきて、厳かな雰囲気を出しています。

ゲガルト修道院も本当に綺麗でした。修道院や教会を訪れる際は、絶対に午前中がオススメです。
エチミアジン大聖堂

いよいよ、目的のエチミアジン大聖堂へやってきました!


エチミアジン大聖堂はそこそこ広く、色々見どころはあるようですが、オススメは大聖堂と宝物館です。
写真の建物が大聖堂。世界最古の教会です。残念ながら、修復中ですが。


その他にも、いくつか教会があります。

ちなみに、エチミアジン大聖堂も、前述のリプシメ教会、ショガカト教会も入場料は無料です。
エチミアジン大聖堂の宝物館へ

宝物館は、大聖堂の裏にあります。英語の表記がないので、結構さまよいました。ちなみに、12-14時あたりはお昼休みのようです。入場料は1500ドラム(300円)。
興味のない人にとっては、少し高いかもですが(アルメニアの物価を考えると)、僕的には絶対に入るべきオススメスポットです。

宝物館は結構厳重に管理されていて、入場人数に制限があるようです。20-30人ほどで一気に入って、そのグループが出たら次のグループが入る、のようになっていました。

宝物館の展示物は、本当に素晴らしい。

もはや「これが何であるか」なんてどうでも良くなるぐらい、ずっと見ていられます。




出し惜しみしないで、早くアレを見せてください
さすがですね〜!そりゃそうでしょう!エチミアジン、いやアルメニアで、僕が一番楽しみにしていたアレですからね!

まずは、コレ!美しいですが、何だかわかりますか?

実は、中に入っている板切れこそが、「ノアの箱船」の木片です!
ノアの箱舟は、キリスト教旧約聖書の創世記に出てくるお話で、大洪水の際に人々を救った方舟。
もちろん、伝説の話なのですが、アルメニアとトルコの国境に位置する標高5137mの神聖な山、アララト山に着陸したと信じられており、その山の山頂から見つかったそうです。

ノアの箱舟もスゴイですが、アレはまだですか!?
欲しがり屋さんですね〜!

これです!おお〜〜〜!!すごい!!!

これがロンギヌスの槍!!
磔にされたイエスの死を確認するために、脇腹を突いた神聖な槍です。
教会などで、磔にされているイエスのイコンを見ると、脇腹が切れて血が出ていることがわかります。それは、この時のものです。歴史を知ると、旅が楽しくなります。
妙な達成感と感動はありますが、ちょっとだけ「アレ?これなの?」感がある人もいるのではないでしょうか?

ロンギヌスの槍と言えば、エヴァンゲリオンで出てきていて、こんな形をしています。これは、実際に聖書やイコンを参考に描かれています。なので、この形を想像していた人も多いのではないでしょうか。

そもそもキリスト教ができたのも、聖書が書かれたのも、イコンが描かれたのも、キリストが死んでから何百年も後です。ちゃんと伝わっているかなんて誰にもわかりません。つまり、正解は誰も知らないんです。
そして、「これが本物のロンギヌスの槍だ」と主張している物は世界中に沢山あります。バチカンも所有を主張しています。
僕が思うところでは、ロンギヌスの槍も、ノアの方舟の木片も、それが本物であるかどうかは重要ではありません。
本物だから凄いのでなく、それが「神聖な物だ」と、何百年も信じられて、拝まれてきた歴史が凄いんです。その歴史が、それを“本物”にしています。
ここでいう“本物”というのは、「本物のロンギヌスの槍」ではなく、「本物と何百年も信じられて来た神聖な槍」という意味です。そこに価値があります。
エチミアジンからエレバンへの帰り方
エチミアジンからエレバンへ帰る際は、大聖堂裏の道路上からバスに乗れます。地図の位置です。

同様に、202、203、208番のバスで中央バスターミナルへ行けます。

バスを降りたら、そこから動かずに、5番、13番のバスを待って、市内へ移動できます。
まとめ

ということで、アルメニアのエチミアジン大聖堂についてでした!
僕にとっては、アルメニアで一番感動した場所の一つです。何に興味があるかは、人それぞれ異なりますが、歴史や宗教が好きな方には、絶対に外せないスポットです!
アルメニアがエデンの園であると考えられている所以の一つですからね。

次の記事では、エレバンの歩き方について紹介します!
See you!
Always think easy, go easy.