今回の記事は、グアテマラで遭遇したスリについて!
中南米と聞くと、真っ先に考えるのが治安の悪さ。長期で中南米を旅をしていると、家族や友人に「大丈夫なの?」と聞かれます。
その答えとしていつも答えているのが、「気をつけていれば問題ない」です。実際に、8ヶ月中南米を旅して、怖い思いをしたことはありません。
それどころか、盗難すらもない。いや、「なかった」というのが正しい。最後の最後にやられました。スリです。しかも、推定70歳超えのお婆ちゃんに。完全に気を抜いていました。笑
ということで、この記事ではグアテマラでのスリについて紹介します!
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INDEX
中南米の治安
中南米のイメージと言えば、やはり治安の悪さ。
特に、世界の中でも群を抜いて治安の良い日本からすると、その犯罪率の高さには天と地ほどの差があります。
スリや置き引きなどの軽犯罪だけでなく、強盗や殺人などの重犯罪も沢山起こっています。実際に、旅人がそういった被害に遭うことも少なくありません。
むしろ、旅人は現金や貴重品を常に携帯している、そして土地感が低いことから、ターゲットにされるケースが多いのも事実。残念ながら日本人が強盗に遭い、亡くなってしまった事例もあります。
じゃあ、中南米には旅行に行かない方が良いですか?
答えは、NOです。
気をつけていれば、滅多なことがない限り、被害に遭うことはありません。
突発的な強盗など、防ぎようのない場合もありますが、注意すること、注意していることをアピールすることで、リスクを回避することが可能です。
むしろ、こういった注意を怠れば、ヨーロッパやアジア、アメリカでも被害に遭います。実際、日本人がよく旅行で行く、フランスやイタリア、スペインなどは、中南米と変わらないほど治安が悪いです。
実際に、僕は8ヶ月間中南米を周遊し、危ない目に遭うことはありませんでした。
今回のスリを除いて。
グアテマラでスリに遭う
そうです。何度も何度も言いますが、グアテマラでスリに遭いました。
しかも、8ヶ月の中南米周遊の最後の最後、出発の10日前に。しかも、お婆ちゃんに。完全に気を抜いていたんですね。
スリに遭ったのは、スマホと現金とクレジットカード2枚。スリに気が付いた直後は、割と焦ったり、イライラもしたんですが、数時間後には普通に生活していました。笑
カードを即効で止めて、再発行。さらに、新しいスマホを購入して、気分はルンルン♫
むしろ、SNSでお婆ちゃんに「ありがとう」と言う始末。この辺り、かなり旅慣れて来た感を感じざるを得ません。笑
では、具体的にどのようにスリに遭ったかを、説明していきます。
激混みのローカルバス(チキンバス)に乗車
中南米では、写真のようなローカルバス、通称チキンバスが沢山走っています。旅人が乗る長距離バスや、シャトルバスに比べて桁違いに安く、乗客はほとんどが現地民。
しかもこのチキンバス、基本的に激混みで、めちゃめちゃギュウギュウ詰めになります。
この写真はガラガラで、ギュウギュウの時は、写真を撮る余裕がありませんでした。(いや、撮ったのですが、そのスマホをスられました怒)
こんな状況であるため、車内にはスリも多い。さらに、このバス、結構な確率で事故るらしいです。笑
許容以上に詰め込み、そこそこの速度で中南米の山道を走行するので、普通に横転したり、対向車と衝突したり。割と頻繁に起こると言うから怖い。
実際に、僕と同じ時期にケツァルティナンゴにいた日本人が乗ったチキンバスは、走行中にタイヤが側溝にはまってそこそこの事故になったそう。車内ではお婆ちゃんが飛び交って、けが人もかなり出たんだとか。
短距離の移動では便利なチキンバスですが、大きな荷物を持っていたり、長距離の移動では、リスク覚悟で乗る必要があります。
僕も、近郊の町など、短距離の移動には使っていたのですが、長距離移動はしていませんでした。
しかし、ケツァルティナンゴからアンティグアへの移動の際に、直行バスがなく、チマルテナンゴという町で、チキンバスに乗り換えることに。
いざ、バスに乗り込むと、これが激混み。今までのチキンバスで経験したことのないほどの混み具合でした。さすがは、大都市アンティグア行き。
これが悲劇の始まりでした。
激混みバスで、隣のお婆ちゃんと和気あいあい
激混みのバスで、何とか自分の席を確保し座っていると、さらにどんどんと人が乗って来ます。
チキンバスは際限なしに人を乗せるため、運転手が「もっと後ろに行って!」と永遠と叫びます。既に後ろがギュウギュウでも関係ありません。
「まだ来るのかい!」と思っていると、推定70オーバーのお婆ちゃんがヨロヨロと、人の隙間をかいくぐって後ろにやって来ます。そして、僕と隣の女性の隙間を見つけ、そこにちょこんと座りました。
このお婆ちゃんが可愛くて、僕の拙いスペイン語で、どこから来たのか、どこを旅して来たのか、これからどこに行くのか、などを会話。こんなお婆ちゃんでも元気一杯。笑顔が素敵です。
そして、僕は異常に混み合った車内をスマホで撮影。その様子をお婆ちゃんも面白そうに見ています。
さらに、この激混みの車内を、料金集めの少年が前から後ろまで歩いて、集金しにやって来ます。お婆ちゃんに片道の料金を聞いて、5ケツァールを支払います。
さらに言うと、この瞬間にスマホと財布をお婆ちゃんにロックオンされていた訳です!
優しい笑顔で、僕の写真撮影を不思議そうに見ているかと思えば、実はどこにスマホをしまうのかをちゃんと確認していたんですね!
グアテマラの70代恐るべし!
スリ婆さん、始動。
ここで、婆さんが始動します。オフ状態から、完全にウェイクアップ!仕事に出かけるよ♫
先ほども言ったように、集金係が狭い車内を歩いてやって来ています。この時、僕は大きなバックパックと、貴重品の入った小さなバックパックを持っています。
上の図のように、僕は大きなバックパックを隣の通路に置き、大事な小さなバックパックは自分で抱えています。そして、集金係が「僕の大きなバッグが邪魔で人が乗れない」と、文句を言って来ます。
すると、お婆ちゃんがある提案を。「お婆ちゃんの足の上に小さなバッグを置いていいから、大きなバッグを自分の足の上に乗せなさいな」と。
こんな様子です。
最初は、お婆ちゃんを気遣って、「NO!」と言いましたが、「大丈夫よ!」と言うので、そのお言葉に甘えることに。言うまでもなく、これがアウトでした。
そうです。あくまでも、この時は「お婆ちゃんを気遣ってのNO」だったんです。
通常であれば、「貴重品の入ったバックパックを気遣ってNO」と言います。おそらく、このバックパックを短時間でも人に手渡したのは、これが最初で最後です。
あんなに可愛くてヨボヨボのお婆ちゃんに重いバッグを持たせてしまうことが申し訳なくて、貴重品の注意に関して完全に忘れてしまっていました。
スリ婆さん下車後、婆さんの魔力に気が付く
集金が終わって数分後、お婆ちゃんがバスを降りると言い出します。僕は、お婆ちゃんから小バックパックを受け取り、感謝を伝えて、別れます。
この時に、ちゃんと貴重品の確認をしておくべきだった。しかし、そんな懸念さえ、ひとかけらも抱かせられなかった事が、この婆さんの魔力の高さを示しています。
スリ婆が下車してから更に数分後。喋り相手もいなくなり、音楽を聴こうとスマホを探すも、時すでに遅し。瞬時に「あれ」と思いますが、まだ信じられず、バックの中をゴソゴソと探しまくります。
小さな小さなバックパックを4〜5分も探して、完全に諦めました。
そして、スマホと同じところに入れていた財布も、もちろんありません。財布の中には、数千円程度の現金と、2枚のクレジットカードが入っていました。
基本的に、財布の中にクレジットカードを入れることはありません。現金は落としても痛くもかゆくもないですが、カードはめんどくさい。
なので、クレジットカードはキャッシングに使ったら、別の場所で大事に保管していました。しかし、実はこのバスに乗る数時間前にキャッシングをしたため、そのまま財布の中に入れっぱなしにしてしまっていたんです。
不運は重なりますね、、
イカれたグアテマラのババア達に絶句
僕がバスの中で落胆していると、スリババアの更に奥に座っていたおばさんが「あの婆さんがやったのよ。私見たよ」と、笑顔で話しかけて来ます。
正直、諦め掛けていたのに、この一言でまた怒りがこみ上げて来ました。
言うまでもなく、「その時に注意してくれなかったこと」、そして「何故か笑顔であること」が原因です。しかも、「どうしたの?」と、気にする周囲に笑いながら説明し、その周りもクスクスし出します。
グアテマラ終わっとんか
もちろん、心配して「大丈夫?」「警察の場所わかる?」と声をかけてくれるおばさん達もいましたが、それよりも、見て見ぬ振りをしたあのおばさんが許せない。
正直、あのスリババアに対してよりも、腹が立っていました。
スリに遭って思うこと
スリに遭ったことに気付いた直後はアタフタアタフタしましたが、その後のバス乗車時間が長かったことで、その間に自分の中で消化していって、バス下車時にはかなり冷静になっていました。
というのも、被害に遭ったものが、そんなに自分にとって重要なものではなかったためです。
- スマホ(iPhone6)
- 現金(数千円)
- クレジットカード2枚
スマホは中国製の安いのを買えばいいし、クレジットカードもすぐに止めればいいやと。
そして、スリ婆さんに対する怒りもほとんどなくなっていました。変な話、それで婆さんの家族が幸せになるなら、くれてやるよくらいに。
彼らにとっては、それが仕事である
これは、インドなどのアジアで、嘘をついて近寄ってくるめんどくさい奴らに遭遇した時も同じです。
そうした時はイライラもするのですが、「これは彼らの仕事」と思うと少し怒りが落ち着きますし、実際にそうなんです。
先進国にいる僕らは、選り好みさえしなければ、アルバイトであっても何かしらの仕事に就くことができて、そのお金で生活することができます。しかし、それができない国、地域もあるのが事実。
そうした場所に住む人たちも、僕らと同じように、仕事がなければ、ご飯が食べれなければ死んでしまいます。
その目の前に、必要以上のお金を持った無防備な観光客が沢山いる訳です。この観光客たちは、スマホや数千円の現金を奪われたところで、死ぬことはありません。数時間で忘れることができるくらいです。
僕も同じことをします。食べなければ死んでしまう、または死んでしまいそうな家族がいたら、絶対にします。生きるために、養うために、行動しているんです。僕らが会社に行く理由と同じです。
「いや、それは分かっているよ。それでも犯罪は良くない!」
それは、やっている本人も分かっているはずです。感覚が多少麻痺してしまっているかもしれませんが、もしも真っ当な仕事があるなら、こんなことしたくないと思っているはずです。それが人間です。
生まれた瞬間から、スリや強盗になろうと思って生まれてくる人なんている訳がないし、治安の悪い国にいる人は、全員性格が曲がっている訳がありません。みんな同じです。
だとしたら、やりたくないと思いながら、ごめんなさいと思いながら、犯罪に手を染めているとしたら、めちゃめちゃ悲しい。
僕のスマホと財布を盗んだあのお婆ちゃんも、バスから下車する時に、バレて後ろから掴まれることをビクビクしながら、人をかいくぐってバスを降りて行ったのかもしれません。
格差社会がこうした状況を作っている
僕らにとって、失ってもそこまで痛くない金額が、彼らにとって数ヶ月働いても得られない金額であるとしたら、どう思いますか?
おそらく多くの人が「寄付してくれ」と懇願されたら、してくれると思います。しかし「盗まれた!」と、思ってしまうと腹が立つ。「寄付した」と、思えば痛くもないし、気持ちも良いのに。
つまるところ、バスの中で僕がイライラし出したのは、こうした状況を作っている格差や社会システムについてです。
この時の僕のように、失ってもそこまで困らないものがあって、それをあげても良いと思う人は沢山いるはずです。
極端な話ですが、「今後、世界を旅しても絶対に盗難や強盗、殺人に遭うことがなくなる」という保険があれば、大金を支払う人は多いはずです。しかも、一度保険金を払えば、保険適用期間は永遠です。
この保険金というのは、途上国に対する支援金を意味しています。そして、その支援金によって国が発展して、貧しい人がいなくなって、治安が良くなれば、盗難や強盗に遭うことがなくなる、というイメージです。
しかし、そんなの勿論とっくの昔からやっています。
毎年、莫大な金額が先進国や一部の途上国から、支援金として送られています。しかし、それが機能していないのが現状。お金が必要なところに回っていないんです。
いつものように話が逸れている、、
要するに、被害に遭った時に自分の損得だけでなく、加害者側のことも考えてみると良いと思うということ。
さらに、お金や物資を寄付する際に、寄付して終わりではなくて、それがどこに送られて、何に使われているかを理解することが大事だと思いました。
まとめ
ということで、グアテマラで遭ったスリ被害についてでした!
グアテマラを始め、中南米ではスリなどの軽犯罪が多発しているので気をつけてください!
しかし、気をつけてさえいれば、基本的に問題はありません。貴重品から目を離さない。危ない場所にはいかない。混んでいるところを避けるなど。気をつけてるよアピールをすることも忘れずに!
また、こうしたことに備えるために、海外旅行保険に入っておくことが重要です。保険にさえ入っていれば、盗難されたものも戻ってきます。
次の記事では、盗難被害に遭った場合の対処方法について紹介します!
See you!
Always think easy, go easy.