
今回の記事は、2020年3月28日現在の南アフリカ軟禁の状況(後編)について!前編はこちらから!
南アフリカに入り、コロナの影響で状況が一変。
現状としては、南アフリカが3月26日からロックダウンし、空港もクローズ。最低で21日間は国から出る事はおろか、外出も控えなくてはいけない状況に。
南アフリカと言えば、アフリカで一番治安が悪いと言っても過言ではないような国。そんな国でロックダウンが起これば、更なる治安の悪化は必須。
いつ、何が起きるかわかりません。しかも、アジア人への風当たりは考えたくもない。そんな中、言われなくても外になんか出れるわけがありません。
しかし、有難い事に、現在は在南アフリカ日本国大使館の方に用意して頂いた安全な宿で、快適な生活を送れています。「今のところは」、ですが、、
ところで、南アフリカのロックダウンに関して数日前に知ることができていました。事前に情報を得ることができていたにも関わらず、なぜ出国しなかったのか。
正確には、できる事はしたつもりでしたが、出国できなかった。トラブル続きで、この数日間は本当に疲れた、、人を信じられなくなり、また沢山の人の優しさにも触れた。大事な人を改めて認識する機会にもなった気がする。
この3年弱の旅で、いや、19才から旅を始めて一番と言って良い程、焦った数日間。今後、こんなに焦る事は当分ないと思う。それくらい。
ということで、この記事では南アフリカでの軟禁生活が決まるまでに起こった出来事(後編)について紹介します!
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INDEX
南アフリカでの軟禁生活が決まるまでに起こった出来事(前回の続き)

ここでは、南アフリカ入国から2週間の出来事。
平和にロードトリップをしていた頃から、ロックダウンを知るまで、その後の南ア出国に向けた死闘、そして軟禁生活の決定までを時系列で簡単に書き殴ります。
- 3/14 ナミビアから陸路で南ア入国、ケープタウンへ
- 3/17 2週間の南アレンタカー旅(5人)が決定。レンタカーの予約、3/30のバンコク行きのフライト(3万円)を予約
- 3/18 レンタカー旅に出発。5人の内の2人が乗る予定のマダガスカル行きのフライトがキャンセル(マダガスカル封鎖)。タイ入国の厳格化が決定
- 3/21 ポートエリザベスへ移動。バンコク行きのフライトが1日延期される。タイ入国に必須となった保険に加入
- 3/23 南アフリカ内にある王国、レソトに入国。しかし、南アフリカのロックダウン発表を告げられ、すぐに南アに戻る事を決める
- 3/24 レソト出国。南アの玄関口、ヨハネスブルグへ急行。バンコク行きのフライトがキャンセルされる。レンタカーの早期返却、返金可を確認
- 3/25朝 3/29発日本行きのフライト(56時間、8万円)を購入
ここまでを前編で紹介。
- 3/25夜 ロックダウン(3/27 0:00)をもって、空港の閉鎖、全フライトのキャンセルが通知される。3/26のエチオピア行きのフライト(3万円)をギリギリで予約
- 3/26 エチオピア→東京のフライト(15万円)を購入。フライトの5時間前に空港へ行くと、フライトが無断でキャンセルされていたことを知る。0時を回り、ロックダウン開始。空港も閉鎖。どうすることもできず、空港近くの宿へ
- 3/27 大使館に連絡し、大使館のあるプレトリアまで送ってもらえる事に。21日間滞在可能の宿を確保してもらい、南ア難民・軟禁生活が開始。有難いことにとても快適です。
- 3/28現在 エチオピア行きフライトのキャンセル連絡は未だに来ない(オコ。来てもオコ)
この記事では後編。3/25の夜から現在(3/28)までの状況を語ります。前編をまだ読んでない方は、こちらから。
3/25夜〜26昼 危機感レベル:95

ロックダウン後、空港の封鎖、全てのフライトのキャンセルが告げられた頃。危機感レベルはほぼMAXの95。
でも、まだギリギリ出国できる可能性はある。ロックダウンまでのフライトを予約すれば良い。
3/25夜 ロックダウン後の、空港の閉鎖が通知される

日本行きが決まり、宿でくつろぐの図
3/25の朝に日本行きの航空券を買い、それまでの宿も食料も確保し、後は引きこもるだけだと安心していた頃。マイちゃんの携帯に、ケープタウンにいる日本人男性から連絡が。
ケープの領事館からの連絡で、ロックダウン後(3/27午前0時)に空港閉鎖、全便キャンセルとのこと。
朝に予約したのは3/29発。よって、すぐにこのフライトキャンセルの連絡も来るだろう。もう、この辺で「もういいや、南アフリカでエアビ借りて皆で過ごそうよ」という気持ちが生まれてきます。
最悪なのは、この3/29発のフライトは、別々の航空会社の別々の予約であること。
- ヨハネスブルグ→ロンドン→ジュネーブ:ブリティッシュエアウェイズ
- ジュネーブ→モスクワ→東京:アエロフロート
つまり、南アフリカから出るブリティッシュはフライトキャンセルになるので間違いなく返金がありますが、アエロフロートの二便に影響はないので、これは飛んでしまう。つまり、返金がない可能性が高いんです。

アエロフロートの件はおいておいて、まずは南ア出国を最優先。
空港閉鎖の情報はまだ公にはなっていない(大使館HPに出ていない)。なので、まだギリギリ購入可能なフライトが残っている。この情報が出ると、おそらく航空券の高騰が予想されます。
日本に帰るか、南アに21日間残るか悩んだ結果、明日(3/26)23:00のエチオピア(アジスアベバ)行きの航空券を購入。ロックダウン1時間前。ギリギリ。これで南アから脱出してやる。
本当はアジスから東京行きの航空券(15万円)もこの時に買いたかった。でも、もしもヨハネス→アジスが飛ばなかった場合、この航空券もアエロフロートと同じ運命を辿る可能性が、、
でも、放っておくとさらに高くなる可能性も高い、、既に15万円で鬼高いのに、、

ちなみに、3/29まで予約していた空港近くの宿をキャンセルしますが、返金はしてくれないとのこと。予約サイトには「コロナの影響でのキャンセルは考慮する」とあるのに、、
3/26朝 2人が先に出国

3/26朝、センとチハルの二人が先に出国すべく空港へ向かいます。彼らは、僕らが購入した3/29のブリティッシュエアウェイズではなく、最初からカタール航空の高いチケット(22万円)を購入していたんです。

結果として、これが一番安く、しかもちゃんと出国できる最後のチケットになるのですが、、
二人と別れ、僕ら3人は23時のフライトまでまだ時間がある。
2日前に爆買いした4日分の食料の消費に走ります。朝はインスタントパスタ(作り方を間違えて劇マズ)、昼も同じインスタントパスタ(また作り方を間違える)。
空港に向かった二人にエチオピア航空が無事に飛んでいることを確認してもらい、東京行きのフライト(15万円)を購入します。この時、本当はエチオピア航空に電話するべきだった。

まさかフライトがキャンセルされているとも知らず、残りの時間、優雅に大富豪をして過ごします。
3/26夜 危機感レベル:2億

空港に行き、予約していたエチオピア航空のフライトが無断キャンセルされていることを知った頃。
危機感レベルは95から2億に急上昇。指数関数もオッタマゲ!もはや、危機感というか、絶望でした。
3/26夜 空港でフライトの無断キャンセルを知る

18時半にUberで空港に向かい、19時に到着。フライトは23時。余裕です。
大富豪をしやすい机を探すついでに、エチオピア航空のデスクに行ってみる。すると、デスクが閉まっている。嫌な予感がして、チェックインカウンターに行ってみると、もぬけの殻。

お、おかしい。おかしすぎる。フライトまで4時間だから?本当に?
まだ4時間もあるけど、何が起きるかわからない。もしNGの場合、一つでも出国できる可能性をフイにしたくない(他のエアラインのフライトに乗れるかもしれない)と、走り回って情報収集に出ます。
結論は、昼の便でエチオピア航空は終了したそう。
いや、おかしいやん。俺らのフライトはどうなったん。キャンセルの連絡来てないんやけど。意味わからなすぎて関西弁になっとるんやて!いちごミルク持っとるんやて!(なるみちゃん)

それでも諦められない。なんかの間違いかもしれない。フライトの2時間前にならないとチェックインカウンターが開かない可能性だってある。このご時世だもん。
ということで、カウンターの前で待ちぼうけ。
もはや、このままあのベルトコンベアが動き出して、奥に引きずり込んで欲しい。荷物と一緒で良いから。日本まで。いや、アジスまででも。
チェックインカウンターには、続々と僕ら(3人 )と同じ境遇の人が集まりだす。オランダ人3人、イタリア人2人、カナダ人2人、中国人1人。

いや、もうおかしい。だって、このフライト絶対フルになるはずなのに、これだけしか集まらない訳ないもん
もうこの辺で、ほぼ覚悟。みんな諦めてた。
ちなみに、ここにいる11人は、今日か1日前に予約した人たちだけ。つまり、おそらく2日前に予約した人には「キャンセル」の連絡が来たんでしょう。それしか考えられない。
エチオピア航空の不手際は、その後に予約フォームを閉じず、予約可能のまま放置したこと。最悪や。
今夜の宿を探すもロックダウンに翻弄される

ここで落ち込んでいても仕方がない。あと数時間でロックダウン。
そうしたら空港も閉まる。「空港泊できないかな」とかそういう次元じゃない。明日も明後日も、空港は閉まってるんやて!21日間閉まってるんやて!外にいれば即、お縄なんやて!!
ということで宿探しに頭を切り替える。だってもう、南アフリカに21日間いるしかないんだもん。
まず最初に頭に浮かんだのは、これまで泊まっていた宿「ローズガーデン」。オーナーも優しくて、すごく快適。僕らのことを一番心配してくれてる。でも、電話は繋がらない。
そうだよね、もう23時過ぎだもん。そもそも、本当はロックダウンに向けて宿を閉めたかったのに、僕らが出るまで開けていてくれたくらいなんです。本当にありがたい。

次に考えたのは、予約していた空港近くのホテル。キャンセルしちゃったけど。しかも、返金されない。なら、泊まらせてよ。事情が事情だし。
しかも、同じ境遇のイタリア人も同じ宿に行くつもり(今日まで泊まってた)で、無料シャトルを呼んだところだという。「ラッキー!」ということで、シャトルに乗り込もうとします。
するとドライバーに「お前らはNO!」と。
なんでも政府から「ロックダウン後からの新規の宿泊客は泊めてはいけない」という規制が出ているんだとか。逆にこれまで泊まっていたところにしか、基本的に泊まることができないんだとか。
だとしたら「キャンセルしちゃった」とかそういう話じゃなくて、最初から泊まれなかったやん!なんで予約できたんや!しかも返金されないて!もはや踊るわ!踊らせてください!
友人の友人で、ヨハネスでAirbnbをしてる人に連絡をしたり、泊まれる宿探しに奔走。そして、なんとか受け入れてくれる場所を見つけて、Uberで移動しようとした時でした。

0時。つまり、ロックダウン。
その瞬間、Uberは使用不可になり、魔法が解けていきます。
さっきまでダンスフロアにいた僕らは今や無法者。誰がシンデレラやねん。
ヨハネスでエアビをしている友人からも、「ロックダウンになった今、外にいるのは危険!今すぐポリスに相談しろ!」と。そんなにやばいのか。
確かに、この広い空港に俺ら以外、もう誰もいない。なんでこうなった。踊る?オドラナイ!マホウ、モウトケテルネ!
警察に相談し、空港の近くの宿(上述の規制の対象外)に案内してもらう。シングルベッド2台を繋げて3人で仲良く寝ます。疲れた、、
3/27〜現在 危機感レベル:ゼロ、むしろハッピー☆

3/27の朝に大使館に連絡。ヨハネスまで迎えに来てくれて、比較的安全なプレトリアへ移動。安全で21日間宿泊可能な宿を手配してもらえました。
危機感レベルは全くのゼロ。むしろ快適すぎて戸惑うくらい。
3/27朝 ローズガーデンへ移動

朝一でこれまで泊まっていた宿、ローズガーデンに電話。
すると「飛行機キャンセルになったの知って心配してたのよ!あなた達が泊まれるのはうちだけ!今すぐに来なさい!Uberは9時で止まるのよ!」と。
もう、涙で前が見えない。Uberにすぐに乗り込んで、ローズガーデンに到着します。
ロックダウン中、Uberは午前5-9時など、限られた時間のみ運行。しかし、本当は特別許可証を持った人しか乗せてはいけないんだそう。僕らはなぜか乗れました。
3/27昼 大使館職員の送迎でプレトリアへ移動

ローズガーデンでくつろぎながらも、大使館に連絡。
すると、僕らが泊まっているエリアは少し治安が悪いエリアなんだとか。そして、もしもロックダウンで治安が悪化した場合、大使館職員はその地域に近づくことができなくなってしまう。つまり、僕らの救出に来ることができない。
そこで、今日中に迎えに行くので、大使館のある首都プレトリアの宿に移ってくるべきだと。万が一の場合、これ以上、大使館に面倒をかける訳にいかないし、自分の安全のためにも移動することにしました。
スーパーで食材を買い、宿に向かう。きっと宿にとっても、僕ら日本人なんて疫病神のようなもの。
そんな3人にどんな宿を、、でも、もう安全に寝ることさえできれば良い。そう思いながら、宿に入ります。すると、そこは


プール付き、可愛い番犬2匹付きのどデカイ宿で、僕ら3人+同じく閉じ込められた日本人のトモヒロ君の、日本人4人しかいない。オーナーは親日家の優しいオジさん。
しかも、オーナーの意向で、これ以上人数を増やすことはないそう。朝食付き、WiFiサクサクで、1泊1500円ほど。
バックパッカーからすれば、決して安くはないのですが、南アで軟禁された僕らを心配して下さっている日本の読者の方からしたら「1泊1500円が高い?頭にウジが湧いてるの?」と、思われるかもしれません。
確かに安いよね。21泊で3万ちょっとやん。笑 なんで、15万とか20万の航空券を買って、ワチャワチャしてたのかわからなくなってきた。笑
まあ、それでも帰りたかったけど、、ワチャワチャしなきゃ、今の状況はなかったと思うし。
とりあえず、一番に言いたいのは、大使館の方々、そして心配してくれた日本のみんな、旅人のみんなに感謝です。本当にありがとう。
僕らが今すべきことは、ここで安全にして無事に日本に帰ること、コロナに感染せず、感染を広げないこと。それは僕らに限らず、日本にいる人も、世界中のどこにいる人にも言えること。
とにかく気を付けてください。安全で健康で。この世界のカオスが早く終息することを心から祈っています。
まとめ

最後に南アフリカを出国しようとした死闘のまとめを簡単に。
- 3/30 ヨハネス発バンコク行き(3万円)
- → 3/31に延期
- → キャンセル
- → バウチャー化
- 3/29 ヨハネス発(ロンドン経由)ジュネーブ行き(4万円)
- → キャンセル
- → バウチャー化
- 3/31 ジュネーブ発(モスクワ経由)東京行き(4万円)
- → 通常運行予定
- → 返金なし
- 3/26 ヨハネス発アジスアベバ行き(3万円)
- → 無断キャンセル
- → 返金不明
- 3/28 アジスアベバ発東京行き(15万円)
- → キャンセル申請受理
- → バウチャー化
※バウチャー:今後の航空券購入時に使える引換券(有効期限1年)
総額29万円、7本の航空券を購入し、一つも乗れなかったという、、
そして、22万円分はバウチャーとして返金。1年以内に乗らなければ(半年以内の予約必須)、ただの紙くず。
