パレスチナとイスラエル対立の町、ヘブロンに日帰り観光!ベツレヘムから1時間!

パレスチナ

Shozza
ハロー!Shozza(@shozzatrip)です!

今回の記事は、パレスチナのヘブロンについて!

アルメニアジョージアトルコ、イスラエル周遊を終え、パレスチナにやってきました!

パレスチナ最初の都市、ベツレヘムを訪問後は、ヘブロンに日帰り観光。

ヘブロンは、イスラエルとパレスチナの間で、現在でも対立が続いている町。一方で、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地である「アブラハム・モスク」があります。

町には、分離壁とイスラエル軍のチェックポイントが溢れ、パレスチナ人は肩身の狭い思いをしている。観光客もチェックを受ければ、チェックポイントの中に入ることも可能。中はゴーストタウンでした。

ヘブロンへはベツレヘムからバスで1時間。日帰り観光も可能です。

ということで、この記事ではベツレヘムからヘブロンへの日帰り観光について紹介します!

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ヘブロンとは

ヘブロンは、パレスチナの南部に位置し、世界でも古い町の一つ。

また、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教も聖地でもあります。その理由は、この三宗教の祖であるアブラハムの墓がここにあるから。

アブラハムは神と接触した、世界で最初の預言者で、ユダヤ教のみならず、キリスト教、イスラム教でも預言者の一人とされています。

エルサレム同様に、三宗教の聖地であるために、古くから紛争が絶えない町でもあります

現在でも、イスラエルとパレスチナの対立が続いており、僕が訪れた2日前(2019年12月1日)に、トランプの承認を受けたイスラエルの国防相が、ヘブロンの入植地を拡大する意向を示し、対立の激化が示唆されています。

イスラエルとパレスチナの間では、パレスチナの支配権においてルールがあって、パレスチナの各都市を以下の3つに分割しています。

  • エリアA:パレスチナ自治政府が行政権、警察権共に実権を握る地域
  • エリアB:パレスチナ自治政府が行政権、イスラエル軍が警察権の実権を握る地域
  • エリアC:イスラエル軍が行政権、軍事権共に実権を握る地域

ヘブロンは、上記の3つに当てはまらず、エリアAとCが混在した状態になっています。

具体的には、ヘブロン全体はパレスチナ政府が実権を握るエリアAなのですが、その町の内部に、イスラエル軍が実権を握るエリアCがあります。

これは、イスラエル軍が無理矢理に奪い取った地域とも言うことができます。2019年末のイスラエル国防相の意向は、この地域の拡大のことです。

イスラエルに支配されているエリアCに入るには、写真のようなチェックポイントを通過する必要があります。ほとんどのパレスチナ人はエリアAに移っていますが、一部のパレスチナ人は中に残っている。

彼らは、毎日このチェックポイントを通過するのですが、そこで意味のない嫌がらせを毎日のようにイスラエル兵士から受けている。

実際に僕も、パレスチナ人がカバンの中身をチェックされていて、その後に地面にカバンを投げつけられ、怒鳴られている様子をエリアCの内部で見ました。

これがヘブロンで起きている日常。

そのため、エリアCの内部は、写真のようなゴーストタウンに。残っているのは、イスラエル軍の旗だけ。一体、これは何のためなんでしょうか。

こんな話はテレビや雑誌では絶対に紹介されません。少なくとも日本では。でも、実際に行けば、その本当の姿を見ることができる。

パレスチナのベツレヘムを訪れる観光客は多いですが、ヘブロンを訪れる観光客は少ない。ベツレヘムから日帰りで簡単に訪れることができるので、時間が許すならば訪れてほしい!

以下、ベツレヘムからの行き方と、ヘブロンの歩き方を紹介します!

 

ベツレヘムからヘブロンへの行き方

ヘブロン行きの乗り合いバスは地図のあたりから出ています。

こんな感じのバンです。「ヘブロン!」と言えば、教えてくれます。バンは数十分に一回の間隔で出ているようです。所要時間は1時間で、料金は7シェケル(220円)。

 

まずは、エリアC(イスラエル軍支配領域)の内部へ!

1時間ほどで、無事ヘブロンに到着。

まずは、旧市街あたりをウロついてから、アブラハムの墓に行って、チェックポイントをくぐってエリアCに入ろうかな〜と、何となく考えていたのですが、いきなりプランを崩されます。

それが、このおっちゃん。バスを降りると、すぐに声をかけられ、日本の神奈川で働いていたことがあると。ヘブロンを無料で案内してあげるよ、と言ってきます。もちろん、無料な訳はない。

あ〜はいはい、そういうやつね。いらない、いらない。

「日本住んでたよ作戦」が通用しないと判断すると、作戦Bを展開してきます。

おっちゃん

日本の有名人と友達だよ!こいつ有名だろ?

ジョーブログ!笑

俺は知ってるけど、この人、そんなに日本人が釣れるほどの人じゃないよ、最近炎上して、嫌いな人も多いし、俺は嫌いだよ

おっちゃん

、、、、(泣)

おそらくこのリアクション、作戦Cはない様子。なんか、可哀想だし面白くなってきたから、乗ってみることに。ヘブロンの実態を聞けるのなら、有難いですし。

無料と言っているが、無料で済むはずもないので、「お金は払うけど、少しだけだよ。5シェケル(150円)ね」と。おっちゃんは「ノープロブレム!ノープロブレム!」言っています。

あれ、本当にそれだけで良いんだ。もしかして、良い人かも。

と言うことで、おっちゃんの案内で、まずはイスラエル軍が実効支配する地域(エリアC)へ。

エリアCに入るには、誰もがこのチェックポイントを抜けなくては行けません。観光客の僕らは、パスポートチェックだけで済みますが、パレスチナ人達は執拗に嫌がらせを受けます。

カバンの中身を全部出されて、その一つ一つの持ち物の名前や、買った場所、使い方を説明させられたり。

言うまでもなく、ただの嫌がらせ。これを大の大人、ましてや軍隊の人達がやっていると言う現実。恥ずかしくないんでしょうか。子供でもやらない。

それよりも、それを恥ずかしいと思わなくなってしまった感覚が怖くさえ感じ出しました。「洗脳」と一言で済ましてしまいたくない。

チェックポイントを抜け、ようやくエリアCに入ると、広がる景色がこれ。誰もいません。何もありません。あるのは、イスラエルの旗だけ。これが、イスラエルが国を挙げてやりたかったこと。おめでとう。

イスラエル軍が支配するエリアCには、残っているパレスチナ人もいると紹介しました。実は、無理やり追い出しておきながら、中に残ることも可能なんです。

「嫌がらせをされても良い覚悟があるのなら」

チェックポイントや、路上でのカバンチェックなんか序の口。嫌がらせは多岐に及びます。そのうちの一つが写真の扉。家の扉が全部、閉められているのがわかるかと思いますが、これもイスラエル軍の仕業。

まだ人の住んでいた家の扉を、鉄くずで全部塞いだんです。

もう一つがこれ。バルコニーが全部、格子で覆われています。これは、パレスチナ人が自らやったこと。その理由がすごい。

こうしないと、イスラエル兵士達が、毎日ゴミを投げて来るんだ

本当に恥ずかしい。少しだけ、話が逸れても、ここで書きたい。

ユダヤ人は、歴史的に多くの迫害を受けてきて、故郷の土地を奪われて、離散。

ナチスドイツによるアウシュビッツ収容や虐殺を乗り越えて、ようやく自らの国(イスラエル)を得ることができた、という歴史は、誰もが知ってる。心から、二度と起こしてはいけないことだと感じている。

その悲しみと怒りの気持ちをバネに「故郷に戻ろう!」と結束して、ようやくイスラエル建国に到達したんだろうけど、そのシオニズムが行き過ぎて、新しいシオニズムを生もうとしていることに、ユダヤ人が気付けていない。

パレスチナ、イスラエルの地には、何百年間もの間、パレスチナ人(アラブ人)も住んでいた。彼らにとっても、間違い無く、ここが故郷なのに。

自分達が追い出されて、ようやく戻ってこれた。そしたら隣に隣人がいて、その人達を今度は自分が追い出そうとしてる。自分たちがされて嫌だった、辛かったことを、平気で他人にできていることが怖い。

僕は、アウシュビッツを訪れた事もあるし、ヨーロッパ各地でユダヤ人迫害の歴史に触れてきましたが、その被害者の方々には、本当に頭が上がらない。冥福を祈ることしかできない。

けど、今、彼らの子供達がやっていることは、その被害者の方々への冒涜であるとさえ思ってしまう。

「歴史は繰り返す」という言葉があって、歴史を見ると同じような事が何度も起こっているのですが、こんなに数十年という短いスパンで起きて、しかも被害者が加害者になってしまっていることを、考え直すべきだと思いました。

話を戻します

エリアCの中を歩いて少しすると、右手にお墓が出てきました。パレスチナ人が集まって、何やらお祈りをしている様子。その様子を見ながら、気になったので少し丘を登ります。

この辺で、例のおっちゃん(そんなのいたなぁ、、)が、「5シェケルならここまでだ!」と、言って去って行きました。笑 まあ、色々聞けたし有り難かった。

丘の上には、パレスチナ人のおっちゃんが。こんなところまで観光客が来る事は無いので、驚いたそう。写真を撮ってくれと。

さらに登ってみます。

丘の上で遊んでいる子供達。可愛い。

この右の女の子なんて、言ったら怒られるかもしれませんが、友達のイスラエル人の女の子にそっくりです。

本当に、妹と言っても良いくらい似ている。でも、彼女はパレスチナ人。イスラエル人が一番嫌いな人たち。複雑な気持ちになりました。

丘を降りて、もう少しエリアCを歩きます。

ジャーナリストの欧米人達が、兵士に大きな声で呼びかけられていました。ヘブロンでは、ジャーナリストもパレスチナ人の次に目の敵にされています。

ここは、イスラエル軍の駐留地。

そこに溜まっていた水溜りでパレスチナ人の子供達が遊んでいました。彼らの笑顔が永遠に続く事を願うばかりです。

 

ユダヤ教徒側のアブラハム・モスクへ!

エリアCの最終目的地、「アブラハム・モスク」に到着しました!

アブラハム・モスクは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の3つの宗教の祖であるアブラハムのお墓。

ヘブロンは長い間、パレスチナ人の住む地域であったため、アブラハム・モスクは二分され、「ユダヤ教徒側」「イスラム教徒側」に分かれています。

そのため、内部に入るには、簡単なチェックを受ける必要があります。ユダヤ教徒側に入れる条件は、「イスラム教徒でない事」。「ユダヤ教徒である事」ではありません。

中では、熱心に聖書の勉強をするユダヤ人の姿が。

今まで、ヘブロンにいるイスラエル人兵士のことを悪く書きましたが、色々な事情でこの地区にいなくてはいけないユダヤ人も多いはず。僕だったら、いたくない。

ユダヤ人側のアブラハム・モスクは、完全にシナゴーグです。

そして、この奥にあるのが、アブラハムのお墓。

これです。

アブラハムは、三宗教の祖ですが、ユダヤ人の直系の祖先。アブラハムの子孫がユダヤ人になったんです。詳しくは、こちらの記事で紹介しています。

そして、ユダヤ人達が熱心に、扉の隙間から覗き込んでいる場所がありました。

扉の向こうは、イスラム教徒側。

イスラム教徒側の入場条件も、同じく「ユダヤ教徒でないこと」。彼らは入ることができない。でも気にはなるんですね。

 

イスラム教徒側のアブラハム・モスクへ!

ユダヤ教徒側を後にし、エリアCから出て、パレスチナ自治区(エリアA)へ戻ります。そして、アブラハム・モスクへ。ここから、イスラム教徒側のモスクに入ることができます。

中に入ると、こんな感じ。完全にモスクです。同じ建物なのに、壁の向こうはシナゴーグ。

歴史上、キリスト教の教会になったり、シナゴーグやモスクになったりを繰り返した建物は沢山あれど、半分ずつ二つの宗教の建物になっている場所は、かなり珍しい。

そして、イスラム教徒側からは、ガラスなしで、アブラハムのお墓を見ることができます。

その前で、お祈りを捧げるムスリム達も。

ちなみに、ユダヤ教徒側で、ユダヤ人たちが覗いていた穴を、たまたま見つけました。下駄箱だったんですね。笑

 

旧市街を散策

アブラハム・モスクを後に、チェックポイントを通って、旧市街へ入ります。ここから、ヘブロンの市内へ戻っていく。

チェックポイントを抜けると、びっくり!

めちゃめちゃ生活感が溢れているんです!これまで、変なことに、ゴーストタウンを数時間歩いていただけで、あの空間に慣れてしまっていたのでしょうか。

異世界に迷い込んだような感覚になりました。普通の町なのに。

食べ物や、人、騒音で溢れている。

普段、町歩きをしているときに、「うるさいなあ」と思っている、あの音が恋しくなってくる。それほど、エリアCの中が寂しかった。何もない。誰もいない。音がしない。

追い出されたはずのパレスチナ人たちが、こっちで楽しそうに生活を続けている。かたや、追い出しに成功した町はゴーストタウンに。

その区域は、この鉄板一枚で隔たれているだけです。写真に写っている猫が、この後当たり前のように、塀の向こうに抜けて行きました。

いつか、この意味のない境界が取り除かれることを祈ります。

 

まとめ

ということで、ベツレヘムからヘブロンへの日帰り観光についてでした!

パレスチナ最大の聖地、ヘブロン。パレスチナとイスラエルの対立から、訪れる観光客は少ないですが、必見のスポットです。

アブラハム・モスクはもちろんですが、パレスチナ問題を考える上で、是非とも訪れてほしい場所。そして、何が起きているかを知ってほしい。正しい方法で、情報が世界に広まってほしい。

日本では完全にイスラエルに寄った報道しかされず、「パレスチナ人」と聞くと怖いイメージを持つ人が多いかと思います。「テロリスト」と思ってしまっている方さえいるかもしれない。

でも、事実を見ると、どっちがテロリストなのか。真実を知って欲しい。そして、いかに、日本の報道が偏っている、間違っているか。ひどい。悲しい。

そういう思いで、この記事を書きました。時間があれば、是非訪問してみてください。もちろん、現地の情勢には細心の注意を払った上で。

次の記事では、ベツレヘムの歩き方について紹介します!

See you!

Always think easy, go easy.

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