今回の記事は、ペルーにある古代遺跡、カラル遺跡について!
ペルーと言えば、言わずと知れた世界遺産、「天空の城」の異名を持つマチュピチュ!本当に、本当に圧巻でした、、
マチュピチュを作ったとされているインカ帝国は有名ですが、それ以外のペルーの文明について、どれくらい知っていますか?
実はインカ帝国が誕生したのは13〜14世紀程。そしてスペイン人によって滅ぼされたのは16世紀ですから、実は200年くらいしか続いていないんです。
では、インカ帝国の前はどうだったかと言うと、もちろん沢山の文明がありました。しかも、そのどれもが本当に素晴らしい。
例えば、インカ帝国と言えば、石積みの技術の高さであったり、帝国内を張り巡らしたインカ道、また情報伝達に使用されていたキープなどが有名ですが、このどれもがインカ以前の文明(プレインカ)時代から引き継いだもの。
プレインカ文明といえば、モチェ、チムー、チャビンなどが有名。それらの遺跡のあるペルー北部のトルヒーヨや、チクラヨ、または南部のチチカカ湖などには、マチュピチュには及びませんが、多くの観光客が押し寄せます。
しかし!ペルーには、もっともっとすごい遺跡があるんです!
それがカラル遺跡!なんと、遺跡ができたのは5000年前!エジプトやインダス、長江文明よりも古いんです!そんな遺跡が、全然有名でないまま、ペルーに埋もれている!
ということで、この記事ではペルーの古代遺跡、カラル遺跡について紹介します!
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カラル遺跡とは
カラル遺跡とはペルー中部にある古代アンデス文明の遺跡です。ペルーの首都リマから、北に車で3時間程いったところにあります。
カラル遺跡の他に、スーぺ川沿いには多数の神殿跡が残されており、80km2の範囲に19の神殿跡が発見されています。スーぺ川流域のその人口は2万人ほどであったと考えられています。
世界四大文明から、世界六大文明へ
カラル文明が栄えたのは、紀元前3000年頃と推定されており、今から5000年前。メソポタミア文明の次に古い文明ということになります。
メソポタミア文明を始め、エジプト文明、インダス文明、長江(黄河も含める)文明を世界四大文明と呼び、世界の文明開花の起源とされていますが、これにはアメリカ大陸のそれが考慮されていません。
アメリカ大陸には、古代文明が存在していたと考えられていなかったためです。
現在では、それらの4つに加え、メキシコを中心とした中央アメリカのメソアメリカ文明、ペルーの古代アンデス文明を加えた世界六大文明と呼ぶのが正しいとされています。
さらに、エジプト文明や、インダス、長江文明はユーラシア大陸の陸続きであるため、相互の影響があったと考えられている(メソポタミアは、世界最古であるため、オリジナリティがある)一方で、アメリカ大陸の2大文明は、ユーラシアからの影響を受けていない独自の文明であったと言うことができます。
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↑メキシコのチチェン・イッツァ
面白いのは、ユーラシアの文明について全く知らなかったはずのアメリカ大陸の2大文明が、どちらもユーラシア同様にピラミッドを作成しているということ!
まだまだ無名の古代遺跡

遺跡の調査を進める考古学者たち
世界で二番目に古い文明遺跡!
にも関わらず、カラル遺跡を訪れる観光客は、1日に30〜40人程だそう。
ちなみに、マチュピチュは1日に4000人以上が訪れます。あんなに立地が悪くて、行きにくい場所なのに。カラル遺跡の5000年に比べて、数百年前のインカの時代のものであるのに。
カラル遺跡が発見されたのは1948年の事ですが、最近になるまで重要な遺跡であると考えられていませんでした。1994年、今から十数年前になって、ペルーの考古学者が更なる発掘を行い、砂漠の中から紀元前2500年前後の神殿や住居跡を発見し、アメリカ大陸最古の文明遺跡であることがわかりました。
2009年には世界遺産に登録。しかし、現在でも発掘作業が進められており、ピラミッドや神殿等は復元されておらず、そのほとんどが砂漠の中に埋もれています。
今現在、全く無名の遺跡ですが、少なくとも十年〜数十年以内には、エジプトやメキシコのピラミッド、パキスタンのモヘンジョ=ダロ等に並ぶ、超有名な古代遺跡になることは間違い無いです。
カラル遺跡への行き方
カラル遺跡は、リマから北に3時間ほどのところに位置し、リマからの日帰り観光が可能です。
ツアーがないこともないのですが、土曜日のみの週に1回ほどであったり、ツアー料金も高く設定されています。
そこで、なるべく安く行きたいバックパッカーにオススメなのは、自力で行くこと。全く情報がなく、不安でしたが、意外と簡単に行くことができました。
しかも、僕はその後、ペルーを北上するつもりだったので、リマに戻ることもなく好都合。逆にペルー北部からリマに抜ける際にも、カラル遺跡周辺を通る可能性があるので、ついでに寄ってみるのもオススメです。
カラル遺跡へGO!
さて、カラル遺跡の入り口に到着しました!
入り口で入場チケットを購入します。
チケットは11ソル(400円弱)です。
しかし、現在カラル遺跡には、ガイド無しで入ることはできません。
というのも、整備が済んでいないので、誰でも遺跡の奥に入っていくことができてしまうためです。
もちろん、人数が多ければ多いほど、安くなります。しかし、人気のないカラル遺跡。僕が行った朝9時頃には、他の観光客が一人もいなかったため、一人でガイドを雇う必要がありました。
ガイドは、あそこにたむろしている中から選ばなければいけません。しかも、聞いてみると誰も英語を話せないとのこと。
英語の話せないガイドに20ソルも、、
と、さっきから僕にいろいろ説明してくれている入り口のおばちゃんは、なんと拙い英語で説明してくれているのです。そこで、「おばちゃんにお金払うから、おばちゃんが連れて行ってよ!」と言うと、最初は「ノーノー!」言っていましたが、数分ごり押しして、なんとかOKしてくれました。
と言うことで、入場整理のおばちゃん改め、新米ガイドのおばちゃんと一緒に遺跡へ向かいます。
遺跡への道のりは、写真のように石でルートを表しているだけ。その先は進入禁止です。
遺跡内には、大小様々なピラミッドが沢山!後ろの山と同じ形に作られているのが、ほとんどなんだとか。
しかも、そのほとんどが綺麗に整備されることなく、発掘されたあるがままの姿。
これ、全てがオリジナルです。5000年前の。
5000年前に人間が作って、そのまま誰も手を加えていない。それが目の前に、その当時のまま残っているんです。
その当時のように復元して、当時の生活をわかりやすいように、展示することももちろん素晴らしいことですが、どっちが良いのか考えさせられます。
最近、火災で倒壊したパリのノートルダム大聖堂ですが、ニュースで「正確にレーザーで測りとった、精密な設計図があるから大丈夫」と言っているのを見ましたが、本当にそうでしょうか?
復元できれば問題ないのであれば、歴史的建造物の意味合いって全くない気がしてしまいます。その内、VRの技術が発達して、いつでも好きな時に好きな場所から、過去の遺産を正確に見ることができるようになった時、もう本物はいらなくなっちゃいそう。
自然に風化していくのも、歴史の一部のような気がしてしまいます。
例えば、滝って、すごい勢いで水が流れているので、どんどん奥へと動いています。日光の有名な華厳の滝も、数十年以内に、滝の大元の中禅寺湖とくっついて、消滅してしまうんだとか。
その前に、なくならないように、工事で滝の内部を鉄筋コンクリートで固めて、それ以上風化しないようにすると言ったら、みんなOKするんでしょうか?
話を元に戻します。笑
上記写真は、カラルで一番大きいピラミッドと、日時計。日時計は、太陽の動きで時間を見る時計です。
王族が住んでいた住居跡。ここから、多くの宝石類が出土しました。
これはペルーのコインにもなっています。
食料を保存していた場所もそのまま残っています。
奥には、まだまだ掘り起こされていないピラミッドが沢山。
最初は、こんな形のただの丘が沢山あって、ピラミッドだとは誰も思っていなかったそう。世界中には、こうやってただの山だとか、丘だとか思われている遺跡が多分沢山あるんでしょう。

遺跡の調査を進める考古学者たち
ペルー観光に役立つ本
「古代文明〜スペイン統治〜現代」までの中南米の歴史がわかりやすく書かれていて、小説感覚で読めます。

これを読んでおくだけで、町歩きが数倍楽しくなる。Kindleもあるので、南米周遊前、周遊中に読んでおきたい一冊です!
まとめ
ということで、ペルーの古代カラル遺跡についてでした!
ペルーの首都リマ付近にいる際には、絶対に訪れておきたい場所です!きっと、十数年以内には有名な遺跡になるはずです!
その時、「ああ〜カラルね。昔、有名じゃない時に行ったよ」とドヤ顔できちゃいます!笑
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